ウェブマーケ雑誌のようなタイトルですが(笑)、以前から気になっていたMediumというウェブサービスを使用し始めてみたので、このタイミングで考えていることを書いてみようと思います。
Mediumは日本ではまだなじみがないサービスですが、最近、英語検索するとこのMedium内の記事が検索結果上位に上がってくることが多いです。つまり、海外ではすでにSEOに強くなっているということですね。
同じような文章投稿サイトのnoteも、じわじわと検索に強くなってきているようです。個人ブログがSEOで苦戦する現在、多くのブロガーたちがこういったブログを掲載できるウェブサービスを使い始めているというのは、今の風潮なのでしょう。
ワードプレスからの移行
Mediumにしてもノートにしても、あるいはその他の文章投稿サイトにしても、こういった大規模ウェブサービスが注目されてきているのは、個人ブログにSEOを施すことに疲弊したブロガー(私のことかな?)、こういったマスサービスに移行しているということなのかもしれません。
少し前までブログで稼ぐならワードプレスという雰囲気があって(今もある)、ワードプレス利用者数が大きく増加しました。
しかし、使ってみればわかりますが、ワードプレスはなにかと煩雑なことが多い。文章を書くことに集中したい人にとっては、わずらわしい作業が多すぎるのです。
BloggerやTwitter創業者のエヴァン・ウィリアムズによって作られたウェブサービスです。アクティブユーザーは月間2,500万人以上といわれています。
「ブログサービス」として紹介されることが多いですが、創立者のコンセプトとしては「ウェブ上でよい文章を書くための美しくて使いやすいプラットフォームの構築」が目的だったようです。
その延長線上に「プラティッシャー(platform+publisher)」という概念が紹介されています。
運命共同体としてのユーザー
いってみれば、このような投稿サービスを利用するユーザーは、全体として運命共同体であります。
ワードプレスは一戸建ての家に住むようなものです。マンションの隣人による影響は受けませんが、マイホームのメンテナンスはある程度自分で行う必要があります。空き巣や泥棒に対する対策も自分で行わなくてはいけません。
一方、Mediumやnote、その他のブログサービスは、アパートや長屋に住むようなもの。隣の家から火が出ればヒヤヒヤすることもありますが、全体の建物としてのセキュリティ対策は、ある程度管理者側が行ってくれます。同じ建物内に住む住人は、基礎部分を共有する「運命共同体」でもあるのです。
私がMediumを使ってみようと思ったのは、英語でポッドキャストに関する情報を集めている際、Medium上に投稿された記事が検索で多くヒットしてきたことがきっかけでした。つまり、noteもMediumも(あるいははてなブログなども)、サービス内に良質なコンテンツを増やすことで、ドメイン全体の評価を上げようという狙いがあり、それがうまく作用していると考えられます。
個人ブログでSEOに強くなることが難しい時代だからこそ、運命共同体のユーザーの協力でドメイン評価を押し上げようという魂胆なわけです。
収益分配型のサービス

Mediumは広告なしでコンテンツが読める
Mediumには独自のパートナープログラムという機能がついており、人気の執筆者はそこで稼ぐことができます。他のサービスと異なるのは、アドセンスなどの広告収入ではなく、ユーザーへの課金(Mediumそのものは無料で読める記事もたくさんあります)で集めたお金を執筆者に分配するという方式です。
これはアマゾンキンドルのUnlimitedにも共通する収益システムといっていいのではないでしょうか。つまり、多くのユーザーの月額課金を集め、参加するコンテンツクリエイターでそれをシェアするというシステムです。
日本国内のブログサービスは、無料で利用できるところが多いですが、こういったコンテンツクリエイターへ収益を分配するというアイデアはありません。
このような意味でも、Mediumでコンテンツを提供するユーザーは「運命共同体」なわけです。
Tumblr、Bloggerも広告非表示可能
無料でブログを書くならTumblrやBloggerという選択肢もあります。これらも海外で人気のサービスですが、広告に対する考え方は日本国内のブログサービスと異なっているという点で、私は興味を持っています。
「ブログ+広告」で稼ぐには、ワードプレスは最強だったのかもしれません。しかし、時代は脱広告の方へ向かっているように感じます。
もちろん、ワードプレスに課金システムを導入することもできるようですが、それよりも、他ユーザーと協力し合うSEOで検索エンジンからも集客できる、Mediumやnoteその他のプラットフォームは、「文章を書いて食べて」いきたい人にとって、非常に魅力的なツールではないでしょうか。
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